さいたま市・浦和・大宮「塾で伸びない中学生専門」の家庭教師、塚田です。
私自身、「塾で伸びない中学生」を専門とした家庭教師をしています。
そのため、問い合わせを受けて、最初の指導をする際に今までに通っていた塾と辞めた経緯をひとりひとり聞いてきました。
すると、「個別指導を受けていても、それじゃあ成績上がらないよな・・・」と感じることが何度もありました。
また、以前は塾で働いていたことがあり、
・塾業界がどんな仕組みになっているか
・どういった人が指導をしているのか
・どういった指導内容になっているか
こういったことを詳しく知っています。
そこで今回は「個別指導を受けているのに成績が上がらないのは、なぜなのか」について、「生徒側の視点」と「教えている塾側の視点」からお話していきます。
個別指導塾で成績が上がらない理由➀
個別指導で教えているのは指導経験の浅い学生がほとんど
個別指導塾で指導しているのはほとんどがアルバイトの学生です。そのため指導は未経験か、あっても短いわけです。
何ごともそうですが、ある程度経験を積んでいる人の方が教えるのは、当然上手な傾向があります。
・どんなふうに声掛けをすると勉強してくれるのか
・ひとりひとりに合った勉強のやり方
・どうすれば信頼関係が作れて、いい指導ができるか
・どういう時に、どういうふうに叱ると効果的か
など、あげればキリがないくらいの身につけるべきことがあります。
私自身、7年間の家庭教師を続けて、それらを真剣に考え続けて、時に失敗しながらも試行錯誤して今の指導ができるようになりました。
もちろん、未経験でも教えることや生徒と関わることが上手な先生はいますが、それは一握りの先生でしかありません。
また、個別指導は集団指導と比べると指導を行うハードルが低いため、
「集団指導は自信ないけど、個別なら教えられるかな?」と考えて、集団ではなく個別指導のアルバイトを選んでいるケースも多いのが実態です。
集団指導と個別指導を行っている塾では、「集団指導をする前に個別指導で慣れてもらう」といった体制になっていることも、個別指導の先生の質が高くない傾向にある要因になっています。
質の高い指導が受けれる可能性はあまり高くないのが、個別指導塾の現状なのです。
個別指導塾で成績が上がらない理由②
学校の勉強が得意な人が教えている
塾で教えているのはどういう人かというと、ほとんどは「勉強が得意な人」です。
勉強が得意な人が、勉強が苦手な人に教えるとなにが起きるか。
「授業聞いてたらわかるよね?」
「普通に教わったとおりやればできるよね?」
「問題集2、3回やればだいたいできるようになるよね?」
と感じてしまい、「なぜできないか」がわからないのです。
そのため、生徒がわからなくなったときに、
「どんな気持ちなのか」
「どこでつまづいているのか」
「どういう思考回路で目の前の問題で取り組んでいるか」
を理解するのが難しいのです。
同じくらいの理解力や記憶力を持った生徒であれば「どこでつまずいていて、どう指導すればいいか」が感覚的にわかった状態で指導を行えます。
しかし、「勉強が得意な人」が「勉強が苦手な人」へ教える場合には、得意であるがゆえに相手の立場にたった指導ができないため、成績を伸ばせないという事態が起きてしまっているのです。
(私自身、中学では5教科の通知表にも2がありましたし、高校でも赤点を取り、補習を受けていました。塾や家庭教師をしている人としては、かなり少数派だと思います。)
個別指導塾で成績が上がらない理由③
マニュアルによって教える内容が決められている
個別指導と聞くと、「ひとりひとりに合わせた指導をしてれる」と思うでしょうが、実際はそうとも限りません。
なぜなら、指導するのマニュアルが存在するため、「使う参考書」と「指導するタイミング」が決められてしまったいるからです。
学校の授業の進度は中学校ごとに違いますし、同じ中学でもクラスごとに変わっています。
また、「生徒によってどこができてどこができていないか」は異なります。
それにも関わらず、決められた内容を指導されるため、次のテスト範囲ではない箇所の指導を受けていたり、基本問題がわからないまま応用問題を解いていたりと、生徒当人に合っていない指導が行われていることが多々あります。
教える箇所を変えてくれることはありますが、それはあくまでも、生徒や保護者からの要望があったときです
結局は「生徒ひとりひとりに合わせた個別指導」という言葉からイメージするような「個別に細かく現状を把握して、生徒に最適な指導」が行われているわけではないのです。
個別指導塾で成績が上がらない理由④
教えてくれる人が日によって違うので、生徒の状況を把握できていない
個人的に、一番の問題点だと私自身は考えています。
私自身、家庭教師として指導を行う時には、1回ごとの指導で
・今回のテスト範囲から逆算して、今はここを指導した方がいいな
・この生徒の性格的に、この説明の仕方の方が伝わるだろうな
・今はここの部分は理解できているな。前はこの部分の理解が浅いからやり直した方がいいな
こういったことを常に考えながら、生徒に合わせて指導をしています。
しかし、個別指導塾は多くの場合、指導する先生のシフトに応じて教える生徒が変わってきてしますのです。
はじめて教える生徒や連続して指導ができない生徒では、こういった生徒の性格や現状の理解度や、得意不得意、テストに向けて逆算して考えるといったことが一切できません。
この生徒に対しての理解の差が、指導力の大きな差につながり、生徒の成績に大きく影響しているのです。
また、教わる側としても指導を受ける先生が毎回変わってしまうと、質問がしずらかったり、前に教わった先生と説明が違っていたりと、困惑することがあるでしょう。
個別指導塾で成績が上がらない理由⑤
1対2、1対3の場合には、平等に指導を受けれない
個別指導といっても、「完全な1対1の指導」よりも「1:2」「1:3」の指導の方が主流ではあります。
これは、もともと「1:2」「1:3」の指導を受けていた子たちから聞いた話です。
※ある程度仲良くなってから、
「前の塾は感じだったの?絶対怒らないし、絶対にお母さんには言ったりしないから!正直どうだった?」
って言うとだいたい教えてくれます(笑)
積極的に質問してくれると、教える側としては教えやすいです。
すると、その子の方に時間を使ってしまう講師も中にはいます。
しかし、私の経験上、本来は質問してこない生徒の方が指導がわからなくなっていることが多いです。積極的に関わろうとする生徒にとっては良い仕組みなのですが、そうではない生徒にとっては得るものが少なくなってしまう側面もあります。
「個別指導だから、ひとりひとりがわかるまで指導することができますし、質問もしやすいです。」と塾の案内ではよく言われますが、結局は本人の意欲次第の部分も大きいのです。
参考書の例題を見てある程度は「こういうときには、こうすればいいんだな」というのが分かるので、問題を自分で解き進めることができます。
しかし、しっかりと「なぜこの答えになるか」を理解できているわけではなく、「例題のパターンに当てはめると、よくわからないけど答えが出る」という状態であることも多々あります。
成績を伸ばすのが上手い講師と1対1の指導であれば「なぜこの答えになるか」を理解できるまで教え込むことができますが、1対2の指導だと細かく指導することが難しいことがあるのです。
余談:
指導する側としては、「Aさんは少し説明すればわかってくれるけど、Bさんはしっかり説明しないとわかるようにならないな、、、2人とも今日の内容をできるようにしてあげないと。」
そう思ってしまうものです。
すると、どうしてもBさんへ教える時間が長くなってしまうのです。
「講師の質が高くないこと」「1:1でないため細かく指導できないこと」が要因となり、このようなことが起きていることがあります。
そうなると、宿題を出されたとしても解くことはできません。宿題なのでわからないところは答えを写していくことになるので、これでは宿題をやったところでテスト点数が伸びるはずがありません。