※今回の成績UPストーリーは、個人的には一番他の成績UPストーリーの中でも一番読んでほしい話です。

 Nさんの指導を始めたのは中3の7月。
親御さんから現状を伺いました。

「中1の頃の成績は良く、途中から塾の方でレベルの高いコースに入ることができたのですが、授業の内容がわからない時もでてきてしまったようで、徐々に成績が落ちていきました。」

「当時は90点前後取れる科目が多く、苦手な科目でも60点台だったのですが・・・
今は理科が45点、他の科目も平均点近くの科目が増えてしまっています。」

「志望校としては、併願の高校をまず確実に確保しつつ、もしこれからでも間に合うのであれば偏差値65の高校を受験できたらと考えています。」

教えてみると、理解力も高く、覚えるのも苦手でない様子。

 

 

Nさんに聞いてみると、

「塾で宿題をやらなくても怒られはしない。」

「授業を聞いていてわかるところと、覚えれば問題解けるところは点数が取れるけど、授業がわからなくなると点数取れなくなる。」

「家での勉強はあんまりやってないかな・・・」

 

とのこと。

 

 

正直、今の定期テストの点数を考えると偏差値65に高校はかなり難しい状況かもしれない。

でも、勉強量を増やす工夫をして、志望校の対策さえうまくいけば、今からでも合格させれる!と感じました。)


「勉強する内容」「やり方」「勉強する時間」「場所(リビング、部屋など)」を1日ごとに
細かく書くことで、勉強を毎日やってもらいました。
(とはいえ、サボる日もあるため、その都度できていない宿題は次回までにやるという約束をしつつ、進めました)

指導をはじめて1カ月半後の北辰テストでは、偏差値63まで一気に上昇。
第二志望の高校の併願確約をとることができました。

その後の定期テストでも、苦手な理科で94点を取り、5教科は420点以上と素晴らしい結果をだしてくれました。

その後も勉強を続け、第一志望の高校の合格も合格できるかもしれないところまで実力をつけていました。

 

(3回中2回は合格できるくらいの実力はある。あとは周りと差がつきやすい数学さえ取れれば、大丈夫なはず!)私自身そう感じていました。

 

 

しかし、その年は倍率が急上昇。

さらに当日の試験では、例年よりも数学がかなり難化しており、得意な数学で差をつけることができませんでした。

結果は補欠にはなっていましたが、不合格となりました。

 

不合格となってかけた言葉

受験後、最初の指導では、こんな話をしました。



「最初の状況考えてみて。普通、無理って状態。でも、ここまで成績上がった。合格はできなかったけど、補欠だったしあと一歩。ほんとにすごいこと」

 

「ただ、途中少し勉強サボったよね?成績上がってきたし、こんなんもんでいいかなってなってた時期もあったよね。補欠までいってたわけだから、もう少しの頑張りがあれば受かっていた可能性あるよね。」

 

俺も反省。もう少し厳しく宿題やらなかったこと注意すべきだったと思う。もっといい教え方もまだまだあると思う。」

 

「これを言うと、お金を出してくださって指導させてくれた親御さんに申し訳ない話ではあるんだけど・・・。おれは、もしかして受かんなく良かったんじゃないかな?とも少し思う」

 

もし合格してたら、これからも、全力出さなくても案外大丈夫なんじゃない?って思ったんじゃないかな?」

 

「俺は高3の大学受験は完全に舐めてた。で、自分なりに頑張ったつもりだったけど全然足りてなかった。」

 

「落ちてからは、本気で取り組んだ。目標の大学にはいけなかったけど、後悔はなくて。あの時本気で勉強してよかったと思ってる。

 

人間なんて大ショックな出来事ないと、なかなか変わる機会ないから。そこから何を感じて、どうしていくのかを考えてみるといいんじゃないかな。」

 

「ここはしっかりと反省してみた方がいい部分。もう一つはまた別の視点の話。」

おれは人生で一回も第一志望の学校に合格できたことない(笑)

でも、人生めっちゃ楽しんでる自信ある!!なんなら、不合格だったからこそ、家庭教師を仕事としてやろうって思えたんだと思う。家庭教師はすごくやりがいあって楽しい。」

 

「本番の試験は運もあるからね。

俺なんて、受験した一個のとこで、数学の問題で100点中9点だったから。笑

1年間必死に勉強して、9点よ。笑

数学に関しては、Nさんの5倍は勉強してるはず。で、9点。笑

当然その大学は不合格。」

 

「ほかのもっと難易度高い大学は85点とか取れたのに。受験なんて所詮そんなもんよ。当たり前だけど、そんな受験の点数なんかで人の価値は1ミリも変わらないから。

※ここは私の指導のスタンスを伝えたいために書かせてもらいました。

【高校入学後】

高校入学後も、指導を続けさせてもらえることになりました。
(第一志望には合格させることはできませんでしたが、成績が上がっていたことや私の関わり方に好感を持ってもらえていたようで、非常にありがたかったです。)

通うことになった高校は偏差値50後半と60前半のコースがある高校。

入学後の模試で、数学は350人中9位でした。

さらに、学校で強制的に受ける事になった英検準2級は勉強せずに合格。

(やはり実力はかなりついていたのだろうな・・・)と改めて実感しました。

Nさんの性格も考慮して、3年後の大学受験は一般受験ではなく、推薦入試での合格を狙うことに。

「推薦では評定をなるべく高くとっておいた方がいい。ほとんどの場合、評定が高い順に人気の大学に合格できるようになっているから。」

「大学に必要な評定は1年~3年の1学期で決まる。」

「高校の最初は、結構みんないい点数取ってくる。最初の方はどの科目も難しい単元がないからね。学校の様子がわからないから、ひとまず勉強するし。」

「でも、1年の2学期あたりから差が大きく出てくる。理系の科目は難しい内容が出てくるし、1学期の内容がわからないと理解内容も出てくるからね。みんな学校に慣れて来て、頑張って勉強しなくてもなんとかなるかな?って思いはじめるのもある。」

「3年生になると、周りも進路のこと考えて一生懸命勉強する。だから3年はあまり差がつきにくい」

「だからこそ、1年生の後半と2年生の定期テストは頑張ると周りと差をつけれる!進路は文系を選ぶと思うけど、Nさんは理系の科目もできるから、理数は評定5を取りたいね。

同じ文系で成績上位の子は英国社と実技科目を国語の力と暗記力でかなり高得点取ってくる。でも、理数科目が理系の科目も3や4であれば、そこが勝機になる」

「毎日たくさん勉強した方がいいとは言わない。高校は高校でしかできない楽しいこともたくさんある。夏休みや試験が終わった後は好きなことたくさんするのも大賛成!」

「ただ、テスト前の勉強は頑張る&家庭教師で教えたことの復習はしっかりすること」

そう伝えました。

覚えれば点数が取れる部分は本人に任せつつ、理解が必要な科目である「英語、古文、数学、化学、物理」を中心に教えていくことに。

「3→4もしくは4→5にできそうな科目は頑張る」
「低い点数になると4→3もしくは5→4になってしまう科目は必ず点数を取る」
「頑張っても変わらなそうな科目は時間をかけず、他の科目に時間を使う」

こういった方針もうまく機能こともあり、1年生と2年生は学年の評定が4と5だけを取ることができました。

【高校3年生】

3年生の成績は1学期の中間と期末の2回のテストで決まります。

そして、1学期の中間テスト。

数学のテストで96点を取り、数学の順位は学年1位となりました!!

 他の科目も順調に目標としていた点数を獲得。 

3年間の評定平均は4.7となり高校内での「指定校推薦枠」を使って入学するために大きなアドバンテージとなりました。

その後、志望を出した大学への推薦の校内選考を無事に通過し、大学合格。

「高校受験で、もし合格していたら高校付属の大学に入っていたと思う。その大学よりも難易度の高い大学に入学できた。結果的に、今の高校に行ってよかったと思う」と言っていました。

私自身は、「目の前の合格・不合格」よりも、

「目標に向かって真剣に取り組んだかどうか」

「難しいことでもチャレンジして、その経験から学ぶこと」

の方が大切だと考えています。

その方が、長い目で見ると得るものは大きいのではないかと思います。