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やってはいけない勉強法

塚田 悠太
プロ家庭教師
久喜中学校→浦和実業(特進コース)→明治大学(経営学部経営学科)

以前は大手家電量販店に勤務。パソコンが詳しくない人にもわかりやすい説明と丁寧な接客を続けた結果、販売コンテストでは最優秀賞受賞を受賞。

その後、学習塾の講師を経験。つまづきやすいポイントに絞った解説と、勉強方法の指導により、担当した中1、中2の数学のクラスで全員が定期テストの点数を上げる。
6年前に会社を辞め、プロ家庭教師として独立。さいたま市で「塾で伸びない中学生専門の家庭教師」として活動しています。

浦和周辺:塾で成績が伸びない中学生専門の家庭教師、塚田です。

私が教えている生徒は、教え始める前はほとんどの教科が平均点以下ですし、科目によっては20点以下の点数もよく見かけます。
そういった生徒の大半は「このまま勉強しても、成績は上がらないだろうな」と思う方法で勉強をしているのです。

そこで今回は、「このやり方は変えた方がいい!」と思う勉強の仕方について紹介します。
効率の悪いやり方を知ることで、自分の勉強法を見直すキカッケになればと思います。

目次

答え合わせをしない

問題を解いたあとには、必ず答えが合っているかの確認をしましょう。

もし確認をしなければ、問題が合っているのかわかりません。
暗記系の問題であれば、もともと覚えているものを思い出す訓練にはなりますが、これではできなかった問題できるようにはなりません。次に同じ問題が出されたとしても、答れることはないです。
数学であれば、もともとできる問題の確認や計算の練習にはなるかもしれませんが、同じくできない問題はできないままになります。

勉強は「わからなかったことがわかるようになり、できないことができるようになること」です。

答え合わせをしなければ、わからない問題がわかるようになったり、できるようにはなりません。

ですので、問題が解いた後には、必ず答え合わせをしましょう。

学校の宿題では、答えを配られないケースもあります。
そうした場合には答えをもらうようにするか、わからない問題を先生や正規の良い友達に聞くようにしましょう。
もし、答え合わせや解説を授業で行う場合には、わからない問題は「どこがわからないのか」「どこからわからないのか」などをメモして授業にのぞむとよいでしょう。

間違えた問題を解き直さない

答え合わせをした後には、間違えた問題を解き直しましょう。

繰り返しますが、勉強は「わからないことがわかるようになったり、できない問題ができるようになること」です。

答え合わせをしても、「この問題は合っているな」「この問題はできなかった」「点数は70点だな」と確認するだけになります。
もちろん現状で「どこがわかっていて、どこがわかっていないのか」を確認することも大切ですが、せっかく「わからない問題がわかった状態」になったのであれば、「わからない問題」をできるようにしてまった方が効果があります。

問題集であれば、できなかった問題にマークをつけておき、繰り返し確認をするようにしましょう。

ただし、テストなどで出された問題のレベルが今の自分の実力よりも明らかに高い場合には、そのままにしてしまった方がいいです。
応用問題や発展問題は、基本・標準レベルができるようになってからでないと理解できなかったりするものですので、基本・標準レベルができるようになってから取り組みましょう。

読み方がわからないまま覚える

社会のテスト対策の授業を行った時に、この10問を3分測るから、その間で覚えよう!
と伝え、テストをしました。
すると、ほとんどの生徒が10問中8,9問できる中で、5問ほどしかできない子がいました。
その時に、どうやって覚えているか質問していくと、読み方がわからないまま覚えようとしていたのです。

家庭教師をしている中でも、暗記が苦手な子を指導する時に、読み方がわからない状態で暗記をしようとする子が多く見られます。

例えば、
Buenos días →おはよう
Buenas tardes →こんにちは
Buenas noches →こんばんは

を覚えるよりも

ブエノス ディアス →おはよう
ブエナス タルデス →こんにちは
ブエナス ノーチェス →こんばんは

こちらの方が覚えやすいはずです。
人は読めないものを覚えることは難しいのです。

覚えるときには、まず「問題と答えが読めるか」の確認は必ずしましょう。
そのまま覚えようとするよりも、大幅に覚える時間を短くすることができます。

疲れた体で眠いまま勉強する

部活がハードな子や、習い事を掛け持ちしている子の中には、体が疲れていることが原因で、学校の授業や家での勉強を集中して行えていないことがあります。

授業を聞いて理解し、短い時間に集中して取り組むことで、クラブチームに通いながらも高い成績の子も中にはいますが、そういう子はかなり少数派です。

考えてみてください。
朝練習をして、学校の授業を受け、その後に部活をして帰ってくるわけです。ごはんを食べたりお風呂に入ったら、そりゃ眠くもなりますし、集中して長時間勉強するのはなかなか難しいのではないでしょうか?
もし、長時間勉強をすると、今度は睡眠時間が少なくなってしまい、体に疲労が溜まっていきます。そうなると、学校の授業も頭に入ってこなくなりますし、家で勉強をしてもなかなか身につきません。
その生活を続けていれば、やがて体調を崩しますし、
「成績が下がる→その分勉強時間を増やす→疲れがたまる→集中できない→効率が悪くなる→成績が下がる」
というループになってしまいます。
(これは、ブラック企業でうつ病になる人と同じメカニズムです。)

こうならないために必要なのは、「睡眠時間の確保」と「集中できる時間に効率よく勉強すること」です。
そのためにオススメなのが、なるべく早く寝るようにして、朝勉強することです。
夜にダラダラと勉強したり、テレビやゲームするのを辞めて早く寝ることができれば、睡眠時間を増やすことができますし、しっかり寝た状態で朝起きれば、学校と部活で疲れた状態で勉強するよりもはるかに勉強の効率が上がります。

どうしても睡眠時間を確保できないようなら、習い事や部活と勉強の優先順位を考えた上で、どうするのがベストなのか考える必要があると私は思います。

わからない問題を考え続ける

わからない問題は、自分で考え続けるよりも、ある程度時間を区切って答えを見てしまった方が、効率よく成績を上げることができます。

例えば、社会の問題で

「第一次世界大戦の講和条約は?」
という問題は、答えを教えてもらわない限り、わかることはありません。
考えてる時間があればすぐに答えをみて、覚えてしまった方が絶対にいいです。

また、数学の問題は考え続ければ、いつか答えにたどりつけるかもしれません。しかし、それが10分後なのか、1時間後なのか、5時間後なのか、それとも2日後なのかは、やってみなければわかりません。
それに、その時に目の前の問題が解けたから、次に似たような問題が出たときに解けるとは限りません。数学は正解できるかが、解き方のパターンを知っているか、そのパターンを正しく組み合わせることができるにかかっています。

であれば、「考える時間は五分にして、わからなければ解説を見る」というようにルールを決めてしまった方が成績を上げることができます。

ローマ字が読めないまま英単語を覚えようとする

「英語が、最初からつまづいてしまっていて、単語の暗記も苦手みたいなんです・・・」という相談受けたことが何度かあります。
単語が覚えれないのは、
「勉強時間が足りていない」
「読み方がわからないまま覚えようとしている」
「同じ単語を50回続けて書いて覚えようとしている」
など、いくつか要因があるのですが、
まず真っ先に疑うべきは
「ローマ字がスラスラと読めるかどうか」
です。

ローマ字を覚えずに単語を覚えようとすると、まずはじめに読み方の検討がつきません。
motherであれば、たとえ読めなくても「も(mo)」「ぜ(the)」などが部分的に近い発音を予測することができます。

しかしローマ字を覚えたいなければ、最初の一文字目ですら検討がつきません。「안녕하세요」をみても、なにをどう読んでいいかわからないのと同じ状態なのです。(ちなみにこれは「アニュハセヨ」です)

それからスペルを覚えるときにも、問題が発生します。
motherであればマザーと読み「もぜあー」と書くと覚えれば、スペルも「mo」「th」「er」と三つのカタマリとして覚えることできますが、ローマ字がわかっていなければ「エム」「オー」「ティー」「エイチ」」「イー」「アール」という6文字を覚えなくてはいけません。
これでは覚えるのが非常に難しいです。

まずは、目の前の単語を覚えるより、ローマ字を覚え直すことからはじめましょう。

いろいろな参考書に手をつける

たくさんの問題集、参考書、プリントに手を出すと成績は伸びにくくなります。

新しい参考書や新しい問題集を解いていくと、繰り返し同じ問題集を解くのとは違い、新鮮な気持ちで取り組むことができます。飽きずにたくさんの問題を解いていけば「自分はこんなに勉強したんだ!」と感じることもできるため、達成感も味わいやすいです。

しかし、新しい問題を解き続けたとしても、次にやってみて解けなければ実力は付いていないのです。
人は、繰り返し同じものを繰り返すことにより、記憶に残ります。
新しい参考書を次々に使っていくと、この「繰り返し」が起きにくいのです。

成績のいい人を観察してみると、同じ参考書を繰り返し繰り返し取り組み、ボロボロになったものを使っている傾向があります。

試験に必要な内容は、「理解するためもの」(教科書やわかりやすい説明の書いてある参考書など)と「実際に問題を解くもの」(ワークや問題集)それぞれ一冊づつ、それから必要があれば苦手なところを補うものがあれば十分です。
何冊も増やしたところで、それらすべての内容を抑えるにはかなりの時間がかかりますし、勉強時間が足りなければ中途半端にしか覚えていない状態で試験にのぞまなければなりません。

ですので、繰り返し使って「完璧な状態」にするものを決めたら、他の参考書に手を出さずに、とにかく繰り返し演習しましょう。

(もし、これらを自分なりに「この分野はこの参考書」「この参考書に載っていないところを補うためにこの問題集の印をつけた個所を解く」など、自分なりに整理して使えるなら、問題はありません。
ただし、そこまで自分なりに工夫できる人はかなり少数ですし、成績も上位の子でしょう。)

授業のノートをそのまま写す

学校の自主学習で「学校のノートのまとめ」をやっている子も多く見かけます。ノートまとめが好きな子は特に女の子に多く、カラフルに色付けしているものもあります。
ノートまとめは、「学校の授業内容を思い出して、整理し、習った内容を自分なりに説明できるようにしている場合」なら、勉強の効果は高いです。
しかし、「内容はよくわからないが、ノートの内容をただ綺麗に映している」という場合には、勉強としての効果は薄いです。提出物でノートを出すときに評価が少し上がりやすくなるくらいでしょう。

ノートまとめは、案外時間のかかるものなので、勉強の効率がよくありません。
(余談ですが、勉強が好きな人以外は、勉強しなさいと言われるとなるべく楽なことで時間がつぶせる内容を選ぶ傾向があります。ノートまとめは時間がかかる&頭を使わずにすむので、自主学習としては取り組まれがちなのです。)
もし、成績を上げたいのであれば、自分なりにノートを整理して毎回良い点数を取っている場合を除き、ノートまとめを行うよりも問題集を繰り返したほうが教わった内容を身につき、テストの点数はあがるはずです。

休憩を入れずに勉強し続ける

勉強の合間の休憩は、よっぽど没頭できる時以外こまめに入れた方がいいです。

続けて勉強しつづけると、集中力がない状態になり、身に付きづらいです。
2時間勉強しつづけるのと、25分勉強→5分休憩を4回繰り返す場合では、よほど集中力がある子でなければ、25分勉強→5分休憩を繰り返すほうが成績はよくなります。
2時間のうち、勉強時間が20分短かったとしても、休憩をはさむことにより集中力を維持する方が、成果は出てしまうのです。

また、「休日に6時間勉強する」といった場合にはもっと差がつくでしょう。
だらだらと6時間勉強していても、内容はなかなか身につきません。
それなら、
「25分勉強→5分休憩×4セット」を朝、昼、夜に分けて行うほうがはるかに効率よくできます。

もし、長時間勉強しているけど成績があがらない場合には、あえて休憩をこまめいに入れて、その分集中して取り組むクセをつけましょう。

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