今も影響を受けている先生の言葉

中学2年生の時にクラスで一番仲の良かった「おぐ」という友達がいました。
おぐのお父さんは、個人で塾を開いていて、周りの友達もたくさん通っていました。
その塾での話をおぐや友達からたくさん聞いていたのですが、
「塾なのに、足が速くなる筋トレをしている」
「ゴキブリ捕まえて、透明なケースで買ってる」
「休憩で一緒にトランプすると、必ずなぜかギリギリで負ける」

など、出てくるエピソードはおもしろいものばかり。

3年生になった初日、クラス発表がありその日は午前中で学校が終わり、部活もない日でした。
そこで、おぐの家に行って遊ぼうという話になり、はじめておぐの家に遊びにいきました。

給食もその日はなかったので、おぐの家族と一緒にお昼ご飯を食べさせてもらい、楽しく話をしていました。
そして、おぐの弟も途中から帰ってきて、クラス替えの話になったのですが、弟は
「新しいクラスに、おれの嫌いな奴いるんだよー。あいついなければよかったのになー」
と嘆いていました。

そこで言った、おぐのお父さんの言葉が衝撃でした。


「嫌なやつはいたほうがいいんだよ。どうせ大人になっても、嫌いな奴って出会うんだから。
学校で嫌なやついなくて、大人になって嫌なやついきなり出てきたら、どうしていいかわかんないだろ?だから、今からいたほういいんだよ」


今まで会ってきた先生だったら、
「仲良くしなさい」
「そういうことを言うな」
「嫌いなひとにもいいところがある」
と答えていたはずです。

たしかに、言っていることはわかるのですが、素直に納得できないですし、それができたら苦労しないわけです。笑

でも、おぐのお父さんの言ったことは、
(たしかにそうかもしれない。そんな考えしたことなかった。おもしろいな。嫌なやつがいても別にいいなかもな。)
と思ってしまう、納得のいくものでした。

中学生の頃に話ができる大人は、自分の家族や親せきと、学校や習い事の先生ぐらいしかいません。
また、中学生は「中学校での生活」と「自分の家族との生活」での時間がかなり多いため、「中学校と家族との生活」=「自分の世界」になりがちなのです。

そんな中で、「周りの大人とは違った視点で、おもしろい意見を言う大人」は、なかなか貴重な存在ですし、人によっては大きな影響を受けるんじゃないかと?と思います。

私自身、家庭教師をはじめようと思ったとき、どんな先生になりたいかを考えた時に浮かんできたのは、「おぐのお父さん」でした。

家庭教師として、毎週1対1で生徒と話ができる機会を持てている今。

勉強で成績を上げることが一番の目的ではあるのですが、成績を上げつつも、教えている子が大人になった時に、
「あのとき、家庭教師の先生おもしろかったな!今でも言ってたこと覚えてるもんなー。」
と言ってもらる先生を目指して、生徒と関わっています。

家庭教師はやりがいのある、すごく楽しい仕事です。
関わらせてもらっている家庭には、本当に感謝しています。