理科の北辰テストで偏差値65を取る方法

【浦和周辺】塾で伸びない中学生専門の家庭教師、塚田です。

「できる分野はいいけど、苦手な分野はやる気がおきない」
「どうやって勉強すればいいかわからない」
「少しひねった問題になると解けなくなる」
「問題文が長いと、間違えが多くなってしまう」

こんな悩みを抱えている中学生のために、今回は「効率よく理科の北辰テストで偏差値65を取る方法」を解説します。

理科の北辰テストは

・社会の問題と同じで、覚えるだけで得点できるようになる「暗記パターンの問題」が80%

・数学の問題と同じで、公式や問題の解き方を理解して、練習問題を解くと得点できるようになる「解法パターンの問題」が20%

で構成されています。

なので、「社会の勉強方法」と「数学の勉強方法」を意識して使い分けると、効率よく勉強することができます。
理科は、「暗記パターンの問題は社会よりも覚える量が少ない」&「解放パターンの問題は数学より易しい」という特徴があります。

つまり、正しい勉強のやり方で勉強すれば高得点が狙いやすい科目でもあります。

また、中学3年生の内容が出題されるのは第5回からです。第5回の北辰テストは10月に実施されることが多いです。
夏休み明けの第4回の北辰テストまでは中学3年生の内容は全く出ません。

中学1・2年の内容がテスト範囲となります。そのため、いくら夏休み中に1学期の復習に力を注いでも、9月の北辰テストには反映されません。
(もちろん第5回以降の北辰テストでは、テスト範囲になっているので、そこでの点数には結びつきますが)

ですので、まずは中1と中2の内容を勉強するのが得策となります。

大問2~大問5は実験や観察の記録の資料を読み取り、小問に答える問題です。
物理・化学・生物・地学の1つずつの単元から大問が作成されます。そのため、苦手な単元は必ず押さえておく必要があります。大問丸々一つ落としてしまう可能性がありますからね。

大問1:小問集合(20点)
大問2:地学(20点)
大問3:生物(20点)
大問4:化学(20点)
大問5:物理(20点)
高得点を狙う上で、一番大切なことは「無駄な失点をしないこと」です。

実験の説明が長かったり、設問の問いが長い問題の場合には

「数字を間違える」
「実験の条件をまちがえる」
「設問の言葉の意味をまちがえてとらえてしまう」

といったことが起こりやすくなります。


・問題文を落ち着いて、丁寧に読む
・頭の中だけで考えず、問題文に線をひく、メモをする

といった習慣を普段からつけましょう。

偏差値ごとの勉強法

偏差値 ~50

まずは「暗記パターンの問題」で得点できるようしましょう。

覚えるだけなので、確実にできるようになります。
点数が取れると勉強はおもしろくなってきますので、理科を勉強するモチベーションにもつながりやすくなるでしょう。

特に「生物分野」「地学分野」は覚えてるいるだけで得点できる可能性が高いですので、早く偏差値50を取りたい場合には、この二つの分野から勉強してください。

また、「化学分野」は計算問題もありますが、7割ほどは暗記パターンの問題です。「実験」「化学式」「物質の性質」「指示薬の色」などは覚えていれ得点できますので、「生物・地学」→「化学」の順で勉強すると効率よく偏差値を上げることができるでしょう。

実際に使う参考書としては「一問一答形式の問題集」がオススメです。

通常の問題集の場合には、答えが別冊子になっていますが、こういった問題集の場合には右に答えが書いてあるので、すぐに答えを見て覚えることができます。
机の上でなくても、空き時間の5~10分にも取り組みやすいですので是非活用してみてください。

偏差値50→55

「化学分野」と「物理分野」計算パターンの基礎問題を解けるようにしましょう。

基礎問題については公式さえ知っていれば、公式に当てはめて計算することができる問題です。
このあたりも、一問一答の問題集に載っている問題を解けるようにすれば十分です。

これだけでも、偏差値55までは取れるようになります。ですので、「暗記パターンの問題」と「公式を知っていれば解ける計算パターン問題」を必ず押さえください。

この時のポイントは「新しい問題を解かず、同じ問題を繰り返しとくこと」です。
実際、私が指導した生徒は一問一答形式の問題集を一冊繰り返し勉強するだけで、60弱まで偏差値を伸ばしています。

とにかく、まずは一問一答を繰り返し解き、完璧しましょう。

偏差値55→65

ここまで来てはじめて実戦形式の問題集に取り組みます。

理科が「苦手・嫌い・わからないという子」を今までたくさん見てきました。

しかし、よくよく聞いてみると
「花のとこは大丈夫」「天気のところはわかる」
など知識問題が多い分野については、嫌だったり、苦手ではなかったりします。
また、「化学式や物理分野」も基本的な知識を覚えてから、一緒に問題を解いていくと「わかるようになり、理科嫌い」ではなくなっていきます。

つまり、理科がわからなくなるのは
「覚えるべき基本知識を覚えていない」→「当然、実践問題ができない」
といったことが起きているのです。

ですので、とにかく基本の問題を解けるようにするべきなのです。

基礎問題がしっかりと身についてれば、その後に取り組む実践問題集の6~7割の問題を解くことができるので、楽しく勉強できるようになりますし、実践問題を解いたときに一気に偏差値を上げることができます。

実践問題を解くことで、今まで身につけた知識を定着しますし、別の角度からの問いに答えることで知識を深まり、実力がつくようになっています。

注意点としては、解説を読んでもわからない問題はあまり時間をかけて考えず、インターネットで調べるか、勉強のできる友達や先生に聞くようにしましょう。

わからない問題を考え続けるよりも、「解説を読めばわかるが、間違えてしまった問題」を繰り返し解くことに時間を使った方が効率よく点数をあげることができますよ。

【読むだけで点数が上がる!実際の問題と点数を上げるテクニック】

実際に家庭教師で教えています。
今回は、実際に教えている内容をダイジェスト版で紹介します。

中1 化学分野

【問題】
体積が8cm3、質量が72gの金属片がある。この金属の密度は何g/cm3か。

密度を求める問題を解くためには、

・「質量÷体積=密度」

この公式を使って、求めます。

この公式。実は覚えなくても大丈夫です(笑)

というのも、問題に密度の単位が(g/cm3)だということが、問題には必ず書いてあるからです!

これは「密度=g/体積」
つまり「密度=グラム÷体積」だと教えてくれています。

あとは方程式さえとければ、数字を入れていけば解くことができるのです。

【問題】
ガスバーナーに火をつけたところ、オレンジ色の炎がついた。炎の色を青色に変えるためには、どのように操作すれば良いか。
次の文章に当てはまる適切な記号を答えなさい。


【A・B】のねじを【➀・②】方向に回す。

答えは「Aのねじを①方向に回す」です。


まず、「ガス調節ねじ」と「空気調節ねじ」の覚え方ですが、

「人間と同じ」と覚えておきましょう。

そうです、上から「空気」、下から「ガス(オナラ)」です。

回し方は、「蛇口と同じ」で覚えましょう。

反時計回りに回すと、「上は空気」「下はガス」が出ます。


炎がオレンジの時には酸素が少ない状態ですので、青色に変えたい場合には上の空気調節ねじを蛇口と同じ反時計回りに回すので、今回はAと①が答えとなります。

中1 物理分野

【問題】
光の進み方として正しいものを二つ答えよ。

入射角と屈折角の法則に従って問題を解くのですが、ひとつひとつ考えていく途中でこんがらがってしまったり、間違えてしまうこと生徒をよく見かけます

・光が空気から水中に進むとき、「入射角>屈折角」
・光が水中から空気に進むとき、「入射角<屈折角」

といった内容が塾や教科書のテキストには載っていますが、覚える必要はありません。

「空気の方が角度大きい」とだけ覚えておけば、問題は解けるのです。

答え:cとf

中1 生物分野

【問題】
水分を吸収するときに通るのは【➀】である。また【➀】は図中の(a・b)である。【➀】に当てはまる語とaとbから正しい方を選びなさい。

「道管と師管があってまとめて維管束だな!」
ここまは、10人中8,9人は正確に覚えています。

しかし、もう一歩先の

・どっちが栄養の通り道で、どっちが水の通り道か
・場所はどの位置か

について正確に覚えている生徒は10人中6,7人にほどになります。

この問題を解くため「ウチの水道管」(ウチ(内側)の・水・道管)でまとめて覚えておきましょう。

中1 地学分野

【問題】
下の選択肢から記号をそれぞれ選び、正しい文章を作りなさい。
火山Aの鉱物を観察したところ、色は白に近い色であった。この火山の噴火は(A:激しい様子・B:おだやかな様子)であり、マグマの粘り気は(C:強かった・D:弱かった)と考えられる。

この問題は、火山によって

➀噴火の強さ
②マグマの粘り気の強さ
③マグマが固まってできた鉱物の色

の組み合わせを覚えていれば解くことができます。

さて、この組み合わせですが

この人をイメージすれば一発で覚えれます。

噴火:激しい 
粘り気:強い
鉱物の色:白っぽい
形:ドーム型

答え:AとC


噴火:おだやか 
粘り気:弱い
鉱物の色:黒っぽい
形:平たい

という組み合わせもありますので、「怒ってる白人の反対!」と覚えておきましょう。

中2 化学分野

問題①:酸化銀を試験管で熱した。このときのに起きた変化を化学反応式で表しなさい。

問題②:炭酸水素ナトリウムを試験管で熱した。このときのに起きた変化を化学反応式で表しなさい。




酸化銀の分解は「ケツあご臭う、四つあごの鬼」

炭酸水素ナトリウムの分解の分解は「ツナヒコさん、ナツコさん、犯人をコツ」

で覚えれます。

通常であれば熱すると酸素と結合するので、○○と酸素が結びついて酸化○○となるのですが、この二つは熱することで、酸素と分解される「熱分解」なので、注意が必要です。また、係数などが他の化学式よりもわかりにくいので、語呂で覚えてしまいましょう。

問題:マグネシウムと銅をガスバーナーで熱した時の質量の変化を調べたところ、上の表のようになった。次の問いに答えなさい。
➀マグネシウムが酸素が完全に化合した時の、マグネシウムと酸素の比を求めなさい。
②銅3.2gが酸素と完全に化合した時の酸化銅の質量を求めなさい。


この問題。通常のやり方ですと、


・マグネシウムが完全に酸化したとき2.0g
・もともとのマグネシウムは1.2g


なので、
2.0-1.2=0.8が酸素の質量

1.2:0.8=3:2より、
マグネシウムと酸素の比は3:2

答え3:2



・銅が完全に酸化したとき、1.5g
・もともとの銅は1.2g

銅と酸化銅=1.2:1.5=4:5

4:5=3.2:X
X=4.0

答え4.0g

といったような手順で解きます。

この問題。かなりの典型問題であり、「銅と酸素と酸化銅」「マグネシウムと酸素と酸化銅」の割合は必ず「4:1:5」「3:2:5」でしか出題されません。

つまり、この比率を覚えておけばいいのです。

覚えておくと、このように解くことができます。
(わかりやすいように、先ほどの解答の過程で省けるところに線を引いています。)


・マグネシウムが完全に酸化したとき2.0
・もともとのマグネシウムは1.2g

なので、
2.01.20.8
1.2:0.8=3:2より、

マグネシウムと酸素の比は=3:2

答え 3:2


・銅が完全に酸化したとき、1.5
・もともとの銅は1.2g

銅と酸化銅=1.2:1.545
453.2:X

X=4.0

答え4.0g


比率を覚えてくことで、読み取りや計算ミスでの失点を防げますし、時間を短縮できるのため、他の問題に多く時間を使うことができます。

 

中2 生物分野

【問題①】気管支の先には、肺胞があります。この肺胞があるのは、どのように役割があるか答えなさい。

【問題②】柔毛がこのような突起の形をしていることで、どんな利点がありますか「栄養」という語を使って簡単に答えなさい。

【問題③】根のからは根毛が生えているのはなぜか。「表面積」という語を使って答えなさい。

この3問は公立高校入試で超頻出の記述問題となっています。
北辰テストでも、1回~8回の中で毎年2問ほど出題される傾向にあります。理屈はすべて同じなので、まとめて覚えてしましましょう。

答え➀:表面積を大きくして、効率よく気体の交換をするため

答え②:表面積を大きくして、効率よく栄養の吸収をするため

答え③:表面積を大きくして、効率よく水分を吸収するため

「表面積を大きくして、効率よく○○するため」というフレーズさえ覚えていれば、減点されることなく点数を取ることができます。

中2 地学分野

【問題】それぞれの【 】に適切な選択肢を選び答えなさい。また、【A】と【B】に適切な風向を4方位で書きなさい。

寒冷前線付近では、積乱雲が発達する。
そのため前線付近では【広い・狭い】範囲に【長い・短い】時間雨が降る。
通過後は気温が【上がり・下がり】風の向きは【A】寄りから【B】寄りへと変化する。

この問題は寒冷前線が通過するときには、

➀雨:強い
②範囲:狭い
③時間:短時間
④気温:下がる
⑤風向:南より→北より

この内容を覚えていれば正解することできます。

この内容ですが、夕立をイメージすれば一発で覚えることができます。

➀強さ:カミナリ落ちたりするし、雨は強い!
②範囲:隣の町は雨弱かったり、降ってないときもあるな。じゃあ、範囲は狭い地域だな!
③時間:夕立の後は晴れてる時あるな。じゃあ短い時間だ!
④気温:夏の日に雨降ると、そのあと涼しくなるな!
⑤風向:涼しくなるってことは、冷たい風。ってことは北風だ!

このように、寒冷前線の通過後=夕立だと考えればそれだけ特徴を導くことができるのです。


また、温暖前線は「寒冷前線の逆」なので、

➀強さ:弱い
②範囲:狭い
③時間:長時間
④気温:上がる
⑤風向:南寄りの風

と覚えておきましょう。

中2 物理学分野

基礎の計算パターンとして、「電流・電圧・抵抗」「電力(W)」「電力量(J)」を求める問題がよく出題されます。

公式としては、

・V=A×Ω
・A=V÷Ω
・Ω=V÷A
・W=A×V
・V=W÷A
・A=W÷V
・J=W×秒数
・W=J÷秒数
・秒数=J÷W

これら9パターンの公式が存在します。

式で覚えると、かけ算と割り算や、必要な単位が何かをまちがえやすいです。

下のように、図にすると覚えやすいので、「式」ではなく「図」として覚えてしまいましょう。

番外編:偏差値65→偏差値70

安定して偏差値を65以上取る、もしくは偏差値70を取れるようにするためには、応用問題を解けるようにする必要があります。

例えば、こういったものが応用問題として出題されます。

【問題】
抵抗が4Ωの電熱線Aに2分間電流を流したところ、電圧計は6.0Vであった。この時の発熱量を求めなさい。

この問題は、先ほどの「電流・電圧・抵抗」「電力(W)」「電力量(J)」に当てはめていくと解くことができます。

➀V÷Ω=Aの公式より、電流は1.5A
②W=V×Aの公式より、電力は9W
③J=W×秒数の公式より、発熱量は540J

この問題のように一見難しそうな問題であっても、実は「基本問題」と「基本問題」の組み合わせで作られていること多くあります。

「国語・英語・社会」の文系教科と比べて、「理科・数学」の理系強化が苦手な人もいるでしょう。そういった文系タイプの人の場合にも、「解き方のパターン」を覚えることで効率よく理科の応用問題を解けるようになります。

難関私立高校であれば、本質的な思考力がなければ解けない問題が多くなります。

しかし、北辰テストや公立高校受験であれば問題のパターンはある程度決まっています。そのため偏差値70であれば、「解法パターンを身につけていくこと」で突破できるのです。

応用問題でも点数を取れるようにしたい人は、出題頻度の高い良問を繰り返し解きましょう。