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浦和実業学園高等学校の偏差値:確約基準について解説します。

塚田 悠太
プロ家庭教師
久喜中学校→浦和実業(特進コース)→明治大学(経営学部経営学科)

以前は大手家電量販店に勤務。パソコンが詳しくない人にもわかりやすい説明と丁寧な接客を続けた結果、販売コンテストでは最優秀賞受賞を受賞。

その後、学習塾の講師を経験。つまづきやすいポイントに絞った解説と、勉強方法の指導により、担当した中1、中2の数学のクラスで全員が定期テストの点数を上げる。
6年前に会社を辞め、プロ家庭教師として独立。さいたま市で「塾で伸びない中学生専門の家庭教師」として活動しています。

さいたま市でプロ家庭教師をしている、塚田です。
今回は浦和実業学園高等学校の偏差値と確約基準について解説します.
浦和実業は私が通っていた高校ですので、私の体験談も入れつつお伝えしていきます。

目次

浦和実業学園高等学校の偏差値

偏差値の概要

特進選抜59.2
特進56.4
選抜α54.2
選抜51.1
進学48.4
プログレス45.9
キャリアアップ45.9

北辰テスト偏差値は45~59となっています。

確約基準の偏差値より低くなっている理由は、
➀個別相談会にいくと加点があること
②内申点で合格した生徒の偏差値は基準より高くないこと
この二つが挙げられます。

他の私立高校と同様に、単願入学した生徒の偏差値は低いことが多く、併願で入学した生徒の方が偏差値は明らかに高くなります。

偏差値の推移

偏差値はこの15年間を見ると、少しずつ下降しています。

なぜ下降しているかというと

➀少子化の影響で高校受験する人数が減っているのに対して、募集人数は減っていないこと
②「小松原高校・小松原女子高校」がそれぞれ「浦和麗明・叡明高校」への変わり、流入していること

この二つが挙げられます。

小松原高校・小松原女子高校だった頃には、偏差値が低い高校としてのイメージが強く、あまり良い評判を聞かない高校でした。
両校は2015年に変革を行い、小松原高校を越谷レイクタウン駅が最寄りの校舎へ移動し叡明高校に、小松原女子高校を現在の浦和麗明高校としました。


それから、高校の変革が行われ、進学校化が進みました。

浦和麗明の偏差値が北辰テストで58~63、叡明高校の偏差値が52~60であることを考えると、進学校化が計画通りに進んでいます。

進学実績も毎年伸びていて、浦和麗明は1学年320名と私立高校としては小規模ながら、難関大学への合格者数は浦和実業と同等となってきています。

そのため、大学受験で難関大学を目指したい生徒は「浦和麗明」を選ぶ傾向があります。

浦和実業学園高等学校の確約基準:2024年

単願推薦

コース内申点9教科内申点5教科北辰テスト
特進選抜382161
特進351958
選抜α331855
選抜311753
進学291651
プログレス241347
キャリアアップ241347

併願推薦

コース内申点9教科内申点5教科北辰テスト
特進選抜402263
特進382161
選抜α351958
選抜331856
進学311754
プログレス281550
キャリアアップ281550

特進選抜と特進では、北辰テストで2回分の偏差値が見られます。
教科は3教科でも5教科でも構いません。

浦和実業学園高等学校の併願校

公立高校

特選蕨、川口市立、川口北、大宮北、浦和南
特進伊奈学園、越谷南、与野
選抜・選抜α浦和北、南陵、大宮光陵、大宮南
進学草加南、朝霞西、川口東、鳩ケ谷
商業大宮商業、浦和商業

私立高校

特選大宮開成(Ⅱ)浦和麗明(Ⅲ)
特進埼玉栄(S)武南(進学)
選抜・選抜α細田学園(α)西武台(選抜Ⅱ)
進学浦和学院(文理進学・進学)
商業秀明英光(総進)国際学院(総進)

浦和実業学園高等学校の基本情報

学校の概要

浦和実業学園高等学校は、埼玉県さいたま市南区に位置する私立の中高一貫校です。1946年に創立され、長い歴史と伝統を誇ります。教育理念は「実学に勤め徳を養う」であり、実践的な学びと人間形成を重視しています。

普通科と商業科の2つの学科を設置 ・普通科には特進選抜コース、特進コース、選抜αコース、選抜コース、進学コースがあり、商業科にはプログレスコースとキャリアアップコースがあります 。

立地とアクセス

浦和実業学園高等学校は、さいたま市南区文蔵に位置しています。
住所:埼玉県さいたま市南区文蔵3-9-1

最寄り駅はJR京浜東北線と武蔵野線が交差する南浦和駅で、駅から徒歩約12分の距離にあります。
駅から学校までの道のりは比較的平坦で、通学しやすい環境 です。
近隣の方からは「浦実街道」と呼ばれ、朝8:00~8:30の間に約1500人ほどが線路沿いの一本道を歩きます。

学校の歴史

浦和実業学園高等学校は、1946年に九里珠算研究塾として創立されました。その後、浦和実業専門学院を経て、1963年に現在の浦和実業学園商業高等学校が設立されました。1975年には校名を浦和実業学園高等学校に改称し、現在に至ります。

・1946年:九里珠算研究塾として創立
・1949年:浦和実業専門学院設立
・1963年:浦和実業学園商業高等学校設立
・1975年:浦和実業学園高等学校に改称
・2005年:浦和実業学園中学校開校
・2012年:校内グラウンドを人工芝に改修
・2023年:新1号館完成、UJカフェやスポーツスタジオなどの新施設を導入

浦和実業学園高等学校のカリキュラム

普通科コース

普通科では、2年次から文系と理系に分かれ、各コースに応じた専門的な学びが進められます。特進選抜コースと特進コースでは、週1時間の探究学習が行われ3年次には特別進学補習が実施されます。

・特進選抜コースと特進コースは、国公立大学や難関私立大学を目指す生徒向け
・選抜αコースと選抜コースは、首都圏の主要私立大学を目指すカリキュラム
・進学コースは、基礎学力を固めて四年制大学を目指す内容

以前は外国語コースもありましたが、現在はありません。

商業科コース

商業科では、2年次からプログレスコースとキャリアアップコースに分かれます。プログレスコースでは、簿記を中心に様々な選択科目が設けられ、大学進学を有利に進めるためのカリキュラムが組まれています。キャリアアップコースでは、ITやビジネスに関する多彩な学びが提供され、進学や就職に備えた教育が行われます。

・プログレスコースは、簿記や会計の上位級取得を目指す
・キャリアアップコースは、IT社会に対応した人材育成を目指す
・一部の商業科目では習熟度別授業が実施される

浦和実業学園高等学校の卒業後の進路

進学実績

令和6年の大学現役合格実績は国公立大学12名、早慶上理が14名、GMARCHが55名と、進学実績も以前と比べると改善してきています。

合格実績が増加しているのには2つの要因があると考えられます。

一つ目は、中高一貫校コースの生徒が安定的に実績を伸ばしていることです。
他の高校にもいれることですが、中学受験で入学した生徒は学力が高い傾向にあります。そのため、その高校の中でも、進学実績を牽引する存在となっています。

私が卒業した年は、早慶上智に現役で合格した生徒はいませんでした。しかし、その翌年に中高一貫コースが最初に大学受験を迎える年だったのですが、慶応が2名現役で合格するなど、最難関校への合格者数も増加しました。その後も安定的に合格者数を輩出しています。

二つ目に、特進部の勉強カリキュラムが変更されたことです。
私自身は特進コースにいたのですが、課題や小テストは厳しくなく、他校と比べてもその量は少なかったです。しかし、現在の特進部は口コミでも見かけるように、課題や小テストの量がかなり多く、学校が提示する勉強量が増加しました。
近年進学実績が伸びている開智、大宮開成、浦和麗明なども同様ですが、学校側の小テストや課題をたくさん出るようになると、やはり生徒の学力は上がる傾向にあります。

ただし、学年の生徒数が1学年で約900人である点と合格実績には1人で複数の合格が含まれることを考えると、難関大学への合格率は高くはありません。近年は制服や校舎のリニューアルなど、校内での改革が進んでいますので、今後に注目です。

私立の高校としては珍しく、商業科があります。
商業科の優秀な生徒は、様々な資格を取ることで、商業高校独自の入試方式で大学へ入学することもできます。
私の在籍時には、AO入試で一橋大商学部に合格した生徒がいました。

就職支援


就職を希望する生徒に対しては、企業説明会を開催し、現場の生の声を聞く機会を提供しています。また、インターンシップや職場体験を通じて、実際の仕事を体験することができます。
企業説明会では、地元企業や大手企業の担当者が参加し、具体的な仕事内容や求められるスキルについて説明 があります。また、実際の仕事を体験することで、将来の進路イメージできるよう、インターンシップや職場体験が行われています。
3年次には、就職指導担当の教員が個別に相談に乗り、就職先を見つけるサポートがあります。

他校の商業科は就職や短大、専門学校への進路を選ぶ生徒が多いです。
ですが、浦和実業の生徒は約6割が四年制大学への進学を希望しています。

浦和実業学園高等学校の学校生活

校則と学校行事

【校則】

浦和実業学園高等学校の校則は、生徒の規律と学習環境を整えるために設けられています。校則は厳格ですが、生徒たちの自主性を尊重し、健全な学校生活を送るための指針となっています。

・スマートフォンの使用は禁止されていますが、授業中や休み時間に使用する生徒もいます
・髪型は肩にかかる場合は結ぶ必要があり、染髪やパーマは禁止されています
・スカートの丈は膝丈が基本で、折り返して短くすることは禁止されています
・化粧は禁止されていますが、軽いメイクをしている生徒も見受けられます
・頭髪検査や服装検査が定期的に行われ、違反が見つかった場合は指導が行われます

【学校行事】
・4月:入学式、新入生歓迎会、オリエンテーションキャンプ
・5月:創立記念日、授業参観、中間考査 ・9月:文化祭(浦実祭)
・10月:体育祭、芸術鑑賞会
・11月:校内弁論大会、生徒会役員改選
・3月:卒業式、謝恩式

制服と設備

【制服】
浦和実業学園高等学校の制服は、伝統と現代性を兼ね備えたデザインが特徴です。男子は濃紺のブレザーにグレーベースのスラックス、女子は濃紺のブレザーにえんじ色のチェック柄スカートを着用します。

・男子:濃紺のブレザー、グレーベースのスラックス、えんじ色のネクタイ
・女子:濃紺のブレザー、えんじ色のチェック柄スカート、えんじ色のリボン
夏季にはポロシャツや白のベストも着用可能 ・制服には学校のエンブレムが施されており、統一感があります。

【設備】
浦和実業学園高等学校は、最新の設備を備えた学習環境を提供しています。2023年に完成した新校舎には、学びと交流を促進するための多彩な施設が整っています。

・人工芝のグラウンド:安全性が高く、運動に適した環境
・スチューデントホール:学年集会や講演会に使用
・スポーツホール:バスケットボールやバドミントンなどの部活動に利用
・弓道場:鏡を使ってフォームを確認しながら練習可能
・図書室:約36,000冊の蔵書を有し、学習や読書に最適
・スポーツスタジオ:最新設備を備えた運動施設
・実験室:ICT設備を完備し、理科実験に対応

生徒の口コミと評判

【校則についての口コミ】

「校則は厳しいが、実際には守られていないことが多いです。スマホ禁止ですが、授業中や休み時間に使っている生徒もいます」

「髪型や服装に関する規則が厳しく、特に頭髪検査が頻繁に行われます」

「コースによって校則の厳しさが異なり、特進コースは比較的緩いが、進学コースは厳しいと感じる生徒が多いです」

頭髪検査は他の私立高校に比べても、厳しかったです。
検査の基準は「先生によって違う」というのが当時の印象でしたが、今は「コースによって違う」という口コミを見ます。
頭髪検査が嫌なことも一つの要因となり、退学していった同級生もいました。
それ以外の校則については、あまり厳しくはなかったです。

【部活動についての口コミ】

「部活動は強制ではなく、転部や退部する生徒も多くいます。特にチアダンス部やハンドボール部は非常に強く、そのために入学する生徒もいます。運動部では、そのスポーツを経験した先生が顧問を務めることが多いです。部活動の厳しさや活動日数は部によって異なります。」

「ハンドボール部は特に強く、その分練習も多いようです。部活動によっては、サボる生徒が多い部や適当に活動している部もありますが、ほとんどの部は真剣に取り組んでいます。」

「ストリートダンス部やチアダンス部は文化祭で発表を行い、チアダンス部は全国大会の常連でオフが少ないです。これは他の部活動も同様で、厳しい部が多いです。運動部は非常に活気があります。」

「チアダンス部やハンドボール部、野球部などは実績があり、入部を希望して入学する生徒も多いです。他の運動部も外で活動している様子が楽しそうです。文化部は室内での活動が多く、活動日が少ない部もあります。」

【施設と設備についての口コミ】

「最上階が7階にあるため、生徒はエレベーターを使えず、毎朝階段で7階まで登らなければなりません。これが本当に面倒です。さらに、移動教室が遠い場合もあり、休み時間は移動だけで終わってしまうこともあります。」

「特進部はキレイな新校舎を使えます。商業科の建物は古く汚い。校庭は人工芝が敷かれきれいです。」

浦和実業学園高等学校の魅力と課題

学校の強み

最寄り駅から徒歩12分で学校に着きます。
併願校として比較されるのが、浦和学院ですが、バスでの通学が必要となります。
3年間通うわけです。仮に片道15分、往復で30分通学に時間がかかるとします。
年間200日学校へ行くとすると、年間で6000分=100時間、3年間で300時間も変わってきます。
他の私立高校と比較しても、アクセスはいい方だと思います。

特進選抜と特進コースでは、学校の中でも授業が上手い先生に当たる可能性があります。
私自身も、数学の先生が元々予備校で教えていた方で、その先生の影響で数学が好きになり、文系ですが受験科目に数学を選んだほどでした。

修学旅行ではハワイに約10日行くことができます。
ハワイに施設を持っているため、普通にいくよりも低価格でいくことができます。
(最近は物価高によりそれでも高いですが・・)
通常であれば修学旅行で海外へ行く場合には約4日ほどであり、できることも限られています。
浦和実業であれば、長期間行くことができるため、「スーパーで買い物をして、自炊をする」「お昼はアメリカの一般的な給食のような食事をとる」「レストランに行き、英語で注文する」「チップを払う」「バスに乗る」「外国人の先生による英語だけの授業」「海や公園で自由に遊ぶ時間」など、2週間弱の期間があるからこそ多くの体験ができたと思います。
他の高校でも希望者は夏休みの期間に2週間ほどの短期留学は可能ですが、浦和実業では基本的には全員参加となっています。

改善点と課題

私自身は特進コースに在学していたのですが、カリキュラムに不満がありました。
3年生になると、なぜか体育の授業数が週2回から週3回に増えます。
他の進学校が受験科目の演習をしている中で、運動して体力を使うのはもったいないと感じました。
また、私自身は文系の一般受験で「英数国」を試験科目に選びました。
しかし、文系を選ぶと、受験に必要な数学Bの科目は学校の授業にありませんでした。
そのため、数学Bは完全に独学となってしまいました。
また、文系の生徒は3年になっても数学の授業があり、数学が苦手な生徒は定期テストの勉強に苦労し、受験勉強への時間を削られていたように思います。
学校によっては、2年生の時点で数学の授業がない学校もあるため、私立文系に進む生徒にはそのような選択肢があってもいいのではないかと思います。
ホームページに載っている授業カリキュラムを見る限り、いまだに改善はされてないようです。

参考資料:浦和実業学園高等学校ホームページ
高等学校トップ | 浦和実業学園中学校・高等学校 (urajitsu.ed.jp)

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