【さいたま市周辺】塾で伸びない中学生専門の家庭教師、塚田です。
なぜ勉強した方がいいかを一言で言ってしまえば、
「この先役に立つから」
だと思います。
勉強してもしなくても変わらないなら、学校の成績を気にしたり、お金をかけて塾に通わせたりしないはずです。
しかし、子供に「将来ために勉強しなさい」と言っても
勉強するようになることは、ほぼないです。
今回はなぜ「将来のために」と言っても勉強をしないのかについて、話していきます。
この記事を読めば、中学生の勉強に対する気持ちを、今より理解できるようになるはずです。
「将来のために勉強しなさい」と言っても効果が薄い理由①
子どもの体感時間は長い
みなさん、大人になってから時間が過ぎるのが早くなったと感じることはありませんか?
「大人になったからと、子供の頃ってどちらの方が時間長く感じたか?」
聞くと、みなさん子供の頃の方が時間が長かったと答えますし、
「この3か月はあっという間だったな」
「もう今年も1年が終わるのか」
「あれからもう5年も経つのか」
という言葉は、年齢が上がるほどよく言われています。
そう、歳をとればとるほど、体感時間は早くなっていくのです。
では、体感時間は年齢によってどれくらいちがうのでしょうか?
フランスの哲学者が考案した「ジャネの法則」というものがあります。
いくつか例をあげると、
・16歳(高2)と8歳(小2)では
16÷8=2倍違う
・50歳と10歳で比べると、
50÷10=5倍違う
・80歳と20歳で比べると、
80÷20=4倍違う
というものです。
人それぞれ、体感の年齢に差はありますし、時期によっては早く感じたり遅く感じたりもあると思いますが、
自分の実感に近いという方も多いのではないかと思います。
この体感時間の違いを知っていると、
子どもの気持ちを理解することや、勉強の話をする時に役に立つのです。
たとえば中学2年生(15歳)のお子さんとお母さん(42歳)の場合、
先ほどの法則を使うと42÷14=3となるので、
体感時間の差は3倍ほどあることになります。
3倍より控えめの、2倍の違いがあるとして考えてたとしても、
親の言う「2週間後のテスト勉強まだはじめてないの!?」は
中2にとっては「1カ月後のテスト勉強まだ始めてないの!?」と言われている感覚ですし、
親の言う「2年後の受験ために」は、
中2にとっては「4年後の受験のために」と言われている感覚ですし、
親の言う「大人になった時のために(20年後のために)勉強しなさい」は
中2にとっては「40年後のために努力しなさい」と言われている感覚になるのです。
・1か月後のテストに危機感を感じて行動したり、
・4年後の目標のために計画的に勉強をしたり、
・40年後のためにと言われて、モチベーションが上がったり
というのはなかなか難しいと思いませんか?
大人でも子供でも、先々のことを言われたときに、計画的に考えて、実際に行動できる人は多くないです。
このことを考えると、子どもの
「テスト勉強をなかなかしないこと」
「受験のことに興味をあまり持たないこと」
「将来について考えないこと」
についても、その気持ちが理解しやすくなるのではないかと思います。
「将来のために勉強しなさい」と言っても効果が薄い理由②
大人になってからの生活が想像しずらい
今から、中学校の頃に戻ったら、勉強をしっかりするという人も多くいるのではないかと思います。
なぜそう思うようになるかというと、実際に大人になって、社会を見てきた経験があるからです。
実際に経験しているからこそ、勉強しておくことの大切さがわかるのです。
しかし、中学生の頃に将来のことも考えろと言われても、
「大人になったらこんな毎日こんな感じで過ごのだろうなー」というイメージを具体的に想像できたでしょうか?
自分の周りの大人と言えば、家族と先生くらいしかいなかったと思います。
実際に仕事の様子をみたり、聞いていたりしているのは「学校や習い事の先生」という職業や家族が経験している職業くらいではないでしょうか?
しかも具体的に仕事の内容や、一日のスケジュールを知っているわけではありません。
また、生活に関してもお給料の中から、税金、住宅費、光熱費、食費、雑費、養育費などを支払う感覚は、実際にやってみなければ味わうことができません。
どんな職業があるのかもしれなければ、働いている人の仕事内容やスケジュールも、お金を稼いでその中で自立して生活する感覚も、なにもわからないのです。
そんな中で大人になってからのことを想像することは、とても難しいのです。
まとめ
・子どもは、大人よりも時間を長く感じるため、「大人になった将来」は遠い未来だと思っている。
・「大人になった時にどんな生活をするのか」「勉強するのとしないのではどんな違いがあるのか」をうまく想像できない。
この二つの理由により、「将来のために勉強しなさい」という言葉が子どもには響きにくいのです。
反対に「目の前のこと・少しだけ先のこと」であれば、身近に感じやすく、想像も具体的にできるため、やる気を出しやすくなります。
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